アクセス解析の心理学
ホームページの管理人は、どうしてアクセス解析を入れるのだろうか。
読者層を理解してマーケティングに使いたいという解答はここでは不要であろう。
要するに、誰が見ているか知りたいのだ。
自分が発信した情報をどんな人が見てくれるのだろうか。
最初はそんな気持ちだった。しかし次第に、あの人は
私の発信情報を見てくれただろうかと知りたくなるのである。
どうしてそう思うのだろうか。
ここには「共有知識」という概念があると思う。
共有知識という言葉の、正式な定義は以下のようになる。
「XについてAさんとBさんが知っている(XはAとBの共有知識である)」には、
・AさんがXを知っている
・BさんがXを知っている
・「AさんがXを知っている」ことをBさんが知っている
・「BさんがXを知っている」ことをAさんが知っている
・「「AさんがXを知っている」ことをBさんが知っている」ことをAさんが知っている
・・・・・以下同様
ここで、AさんがXという情報を発信したとする。
BさんがAさんのサイトを見たとしよう。
ここで、BさんはXを知った。同時に、AさんがXを知っていることをBさんは知った。
しかし、AさんはBさんがXを知ったかどうかまだわかっていないのである。
Bさんからしたら、Xという事実は二人の共有知識となったかもしれないが
Aさんからしたら、Bさんが知ったかどうかわからずに不安でたまらないのだ。
だから、Bさんが見たことを知るための手段の一つとして
アクセス解析が役に立つのであろう。
サイトを持つ人は反応を欲しがる。
反応をしてくれた時点で、二人の間で共有知識になるからだ。
共有知識になって、はじめて安心することができるのである。
しかし、反応がない場合は、アクセス解析でそれを知るしかない。
神経質な人なんかは、それでも安心できず
「サイトを見てくれたようだけど、あの記事は本当に読んだだろうか。
読み飛ばされたんじゃないだろうか」と気にする人もいるんじゃないだろうか。
それでも、見てくれたという最低限の心の平和は
アクセス解析で得られるものだ。
アクセス解析は、管理人の心の平和を保つためのツールである。
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