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ブログ論を批判するときに注意すること

世にはばかる「ブログ論」を述べる人たちは、いつもいつも正論ばかりを振りかざしてくるので、たいそう腹立たしく思っている人も多いだろう。ときに、その矛先が自分に向かった場合は反論してやろうと思うこともあるだろう。そのとき、注意しておくべきことをあげてみようと思う。

1.「自分が批判されたこと」に対して「批判」してはいけない

これは相手がサイト論であろうとなかろうと、最低の行為です。自分を否定されたから相手を責めるというのは相手にすらされません。「自分の考え」を否定されたから、「自分」が否定されたと思うのも相手にされないでしょう。「相手の考え」が「自分の考え」と違うから批判するのです。辿りつく先は、自分の考えの正しさを証明することではありません。よりよい考えを互いに共有することだと思います。


2.反例を一つあげても、それは反論にはならない

「私は今までそうやって(成功して)きました」
「私のグループでは皆そうやっています」
「私の知っている人は皆やっています」
「あなたもやったじゃないですか」
「私はそうされても不快に思いません」

上記は、ブログ論批判のアンチパターンと言っても良いでしょう。
このような意見はすべて「だから何ですか?」の一言で返されてしまいます。サイト論を語るような人にとって、そのような実例が存在していることはほぼ確実に考慮の上です。そのうえで、more better を述べているにすぎません。
インターネットはローカルルールの集合体です。あなたが良く見るサイトがインターネットすべてのルールではなく、そのような小さなグループが無数に存在するのがインターネットです。サイト論はそれをふまえた上で考えられているものがほとんどです。


3.ブログ論者が一番恐れているのはスパムである(と思う)

一番良く見るかつ反論の多いブログ論と言えば「引用のないトラックバックは禁止すべき」という意見でしょう。しかし、きっとこのように述べる人でさえ、引用のないトラックバックは送ったことがあるだろうし、その有効性を多少はあると思っている。それでも、禁止すべきだと言うのは、スパムに悪用されることを恐れているのである。どんなに良い行為であっても、それが自動化されうるものならば容易にスパムになりうるのである。機械化できるもの(トラックバック、検索サイト、ランキングサイト、広告 等)は、機械によって利用されるだけである。だから、人的にどのようにしたら良くなるかを考えているのである。あなたの考えが実に正しくても、スパムに利用されてしまうアイデアでは反論としては今一歩だと思われる。
 
 
 
このようにいくつか挙げるだけで反論という行為が非常に難しくなってしまう。あるいは、そこは考え方の違いだよと逃げるような低レベルのサイト論者もいるだろう。
しかし、この記事をここまで読んでくださった賢明な読者のことだから、相手をこてんぱんにしたいと考えているに違いない。そんな方に、反論のためのアドバイスをいくつか残してみる。検討を祈る。

・反論の論点をもう一度確認してみよう。
・「~は違います」ではなく、「~についてどう思いますか?」と返す。
・どうしても相手を叩きたいなら、結論より前提の穴を見つけよう。視野を広げれば広げるほど、前提は穴ばかりだと気づくであろう。

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ぽんすブログ: 議論のアンチ・パターン
 
 
 
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コメント

言ってることはブログ論の批判とは関係ないし
今時古臭いメタブログであきれてしまいました。

投稿: test | 2005.09.23 02:25

答えは一つでなくともよいのでは。
反論することと、別意見のトラックバックは違うものと考えたい。両方意味のあることだと思います。それがブログの醍醐味。
私は"パラレルワールドの体感"と呼んでます。
つまり、1つの人生で多くの人生を体験できること。すばらしいじゃないですか。

もう一つの視点は、論理的に理解することと、本音で合意する事は全く違うということ。本音の合意を得るためには、相手の想像力が大事。トラックバックされたサイトの該当記事だけでなく、ブログ全体を眺めて湧き上がってくるものが大事かなと思います。

投稿: auzy | 2006.02.08 19:46

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» 「どんなに良い行為であっても、それが自動化されうるものならば容易にスパムになりうる」 [kokepiの日記]
引用先の論旨とは全く関係なくて恐縮なんですが、、スパムに関して非常によい言葉だと思ったので。 どんなに良い行為であっても、それが自動化されうるものならば容易にスパムになりうるのである。機械化できるもの(トラックバック、検索サイト、ランキングサイト、広告 等)は、機械によって利用されるだけである。 人間にしかできないこと。これをうまくすくいとってコミュニケーションのきっかけにできるツールが優れたツールだとお思います。 ... [続きを読む]

受信: 2005.09.22 12:24

» ブログ論 名前で勘違い。コワイデスネー。 [TrendCyclone]
●ブログとは本来、書く人にとっては"自分を確認し、他人に認知されることによる、世界が広がる喜びを得るためのもの" 見る人にとっては"多様な主観が存在するパラレルワールドを体験できるもの"(ここでパラレルワールドってのは奥が深いんですよ。アマゾンとかで"クオ...... [続きを読む]

受信: 2006.02.07 15:51

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