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俺ニュースを超えることはできても、俺ニュースになることはできない。

琥珀色の戯言 - もう、個人サイト業界への「新規参入」の時代は終わった(3)は、非常に今を捉えた文章であった。

「ドラゴンクエスト1」なら、誰かひとりの天才の力で作ることは可能かもしれないが、「「ファイナルファンタジー10」を、ひとりだけで完成させられる人なんて、たぶん、この地球上には存在しない。もちろんそれは、20年前よりも、個人個人のスキルが下がっているというわけではなくて、要求されるものの水準に、ひとりの力で追いつけなくなってしまっている、というだけのことでしかない。でも、考えてみていただきたい。現代の「ゲーム界のカリスマ」の多くは、「昔の個人の力がゲーム制作に大きな影響を及ぼせた時代に、名前を売ることができた人々」なのだ。おそらく現代に、20年前の堀井雄二や宮本茂がいたとしても「優秀なパーツのひとつ」にしかなれないのではないだろうか。

堀井雄二を見てから、自分も堀井雄二になろうというのは、もうムリな話。
堀井雄二になりたければ、堀井雄二が出る前に、なっておかなければならなかったのだ。

この一文、堀井雄二を俺ニュースに読み替えると、個人ニュースサイト業界に実に良く当てはまる。

俺ニュースは、今となってみれば伝説の個人ニュースサイトである。しかし、それも当時の話であって、上記の例で例えるならば「ドラゴンクエスト1」という存在になってしまうのではないだろうか。そう思う最大の理由は、今の個人ニュースサイト業界の中には(当時の)俺ニュースを超える個人ニュースサイトがいくつも存在しているということである。無論、2年半も前と今とで比較するのは俺ニュースに対して失礼ではあるだろうが。

ここで、2つの大きな問題を投げかけてみる。

1.なぜ「俺ニュースさえあれば十分」と呼ばれるまでの地位を獲得することができたか。
2.今後「俺ニュース」のようなサイトになるにはどうしたらよいのか。

1つ目について、俺ニュースが孫ニュースサイトであることに徹したからだと思っている。

まずはデザイン。今現在でも、多くの個人ニュースサイトが「ニュースのタイトル、情報元サイト名、1行コメント」という形式でニュースを紹介している。しかし、俺ニュースでは「情報元サイト名、ニュースタイトル又は1行コメント、URI」という表記であった。デザインについては見やすさこそ第一であると思っているが、情報元サイトを最初に持ってきているところにリスペクトを感じ、また、★の数でオススメ度を、コメントで内容を、URIを直接見せることでさらなる情報をと、情報を出すことに最も重きを置いていることを感じることもできよう。自論ではあるが、孫ニュースサイトの基本的事項はこの「ネタ元ニュースサイトへの感謝」と「良いニュースを多くの人に正しく伝えること」だと思う。そのためには、俺ニュスタイルとまで呼ばれたこの形は最適であると思っている。

そして紹介するニュース。これを他のニュースサイトにすべて頼り切っていたこと。最近のニュースサイト論を見ると「どのようなニュースをピックアップするかでサイトの個性ができる」という意見が多いが、俺ニュースはそれを逆行していた。「ニュース」を共有するのではなく「面白いと思ったこと」を共有するというスタンスで、他の個人ニュースサイトで紹介されているのだから面白いと、フィルタのスタンスの多くを他人にまかせていたところが大きかったと思う。

最後に管理人の立場。てくる氏は、表に出てくることがほとんどなかった。サイト上で横のつながりを表で書いたことはなかったと思う。

2つ目。今後、ここさえあれば大丈夫というサイトになるにはどうしたらよいか。それについての自分の意見を述べる前に、順を追うことにする。

まず、当時のままの俺ニュースを今作ったらどうなるか。
これを非常に難しいと唱えているのが最初に引用した「もう、個人サイト業界への「新規参入」の時代は終わった」の記事である。しかし、私自身は無理とは思っていない。むしろ、十分に大手のサイトになれる形態だと思っている。しかし、「俺ニュースのような存在」にはなることは非常に難しいと思う。

それはなぜか。

まず、現状の大手個人ニュースサイトを考えてみよう。当ブログの先月のリンク元ベスト3であったかーずSPゴルゴ31カトゆー家断絶の3サイトをサンプルにして考える。3サイトに共通することは、それぞれ得意分野を持っていてなおかつ皆が面白いと思うようなニュースも紹介しているということだと私は思っている。自分の得意な分野は、自分なりの巡回ルートを持っていて、他の面白いニュースは他のニュースサイトに頼っているように見える。まさに「T字型人間」的サイトといえるであろう。個性を求められる今に非常に適したサイトといえよう。

では、俺ニュースはどうだったか。確かに手広くニュースを拾っていたが、特に専門というものを感じなかった。むしろ、あんてなを広くすることに非常に拘っていたように感じたことがある。カバーするジャンルの広さと、深さと、偏り。今は偏った分野への徹底的な深さと、ある程度の広さをもったサイトが上位にいるが、俺ニュースは徹底的に広さに拘ったのだと思う。

それならば、今からあんてなを徹底的に広げたニュースサイトを作れば良いのではないか。私の考えでは、それで俺ニュースを作れる可能性はあると思う。しかし、当時と比べてカバーできる範囲が非常に大きくなってしまった。ブログの流行、ソーシャルブックマークの登場も非常に大きい要因であろう。

これが「もう、個人サイト業界への「新規参入」の時代は終わった」の記事と同じ結果に陥る部分である。ニュースサイトの情報を探すスキルはきっと当時の俺ニュースより高くなっていると思う。しかし、そのカバーできる範囲が当時とは比べ物にならないほど大きくなっているため、個人ではカバーできる領域を超えてしまっているのではないだろうか。

私は、てくる氏を個人ニュースサイト業界のトム・デマルコだと思っている。大規模プロジェクトの管理と多くの個性的なニュースサイトからニュースをピックアップすることに、何か似たものを感じている。俺ニュースは、個人ニュースサイトの one of the best の方法を実践し、証明したサイトの一つであることは間違いない。ゆえにカリスマなのだ。

つづく→俺ニュとはてブと個人と集団
 
 
 
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コメント

>今の個人ニュースサイト業界の中には(当時の)俺ニュースを越える個人ニュースサイトがいくつも存在しているということである。
具体名出せます?

投稿: ruku | 2005.10.24 10:35

個人的には具体名出したくありません。本当に申し訳ありません。
私個人としては、今大手と呼ばれているサイトはほとんど超えていると思っています。しかし、スキルのベクトルが違うと言われたらそれまでですから。特に今は得意分野+話題のニュースというサイトが多いため、得意分野の部分のニュースが好みでない限り認められないのも事実です。でも、だからこそ好きなニュースサイトが分かれて良いところになるのだと思っています。

投稿: まなめ | 2005.10.25 07:08

俺ニュ信者じゃありませんが
今大手と呼ばれるサイトで超えていると思えるトコは無いと思います。
ニュースの重複。横の繋がりを意識した取り上げ方。情報元サイトの偏り。
スルーした記事を、他の大手が取り上げたからとりあげる。等
俺ニュのようにニュースの内容ありきな更新してるところが有りますか?
具体名を出したくないのではなく出せないんじゃないでしょうか?

投稿: Muu | 2005.10.25 14:35

あい了解しました。
「俺ニュースを越える個人ニュースサイト」というのがどういう状態のサイトのことを言っているのかが今ひとつ分からなかったので質問してみましたが、
>今大手と呼ばれているサイトはほとんど超えていると思っています
という文章からなんとなく理解しようと思います。

ん、上記文章を書いていて気付きましたが、エントリのタイトルは「超える」ですが文中では「越える」になっていますね。この使い分けは意図的なものですか?

続きがあるようなので楽しみにしています。

投稿: ruku | 2005.10.25 15:36

俺ニュースが終了したってのが全てだね。
限界がきたんだよ。無理になったんだよ。
後釜に据わるには皆諦めた事をやるしかない。
しかしできる奴はいない、と。

投稿: ごっぐ | 2005.10.26 00:51

>Muuさん
私はそれらはすべて、現在の個人ニュースサイトの多くが俺ニュースのレベルに達してしまったから、一つの良いニュースが一気に横展開されるようになってしまったからと考えています。

>rukuさん
「俺ニュースを超える個人ニュースサイト」
オンリーワンとしての俺ニュースを超えることは、きっともうどこも無理だと思いますが、当時の俺ニュースの質を提供するという意味では「超えている」ということです。あと、「越える」は誤植です、修正しておきます。

投稿: まなめ | 2005.10.26 01:49

>私はそれらはすべて、現在の個人ニュースサイトの多くが俺ニュースのレベルに達してしまったから、一つの良いニュースが一気に横展開されるようになってしまったからと考えています。

なんか見当違いの解答な気が。
そもそも俺ニュースのレベルに達していたら横展開に飲まれないんじゃない?
俺ニュの馴れ合い無し、他に流されない独特の記事選眼に追いついてるサイトはやっぱ無いと思う。
まず具体名があげられない時点でまなめさんも分かってるんじゃないですか?そのサイトがまだ達してないことが。

投稿: Muu | 2005.10.26 07:50

俺の知る限り俺ニュースを超える孫ニュースサイトなんてここ数年ないね。過剰評価しすぎじゃね?

投稿: 炎のさだめ | 2005.10.26 08:08

>Muuさん
では、今アナタが考える最も俺ニュースに近いサイトはどこですか?そのサイトが俺ニュースに届かない部分は何ですか?どのようにしたら、その域に達することができるでしょうか?今後、他のニュースサイトはどのようにすれば俺ニュースのようになることができるでしょうか。そもそも俺ニュースになる必要があるのでしょうか。
一応、少しずつブログのネタにしていこうと考えていることです。もし良かったら参考にさせてください。

人によって「俺ニュースを超えていると思えるサイト」は違うと思うので色を付けたくなくて挙げませんでしたが、どうしてもというので私が1番だと思うサイトを。駄文にゅうすさんです。

あと、横展開に飲まれないというのはちょっと違うと思います。むしろ、俺ニュースも最後の半年はだいぶ他のサイトに押し寄せられきた印象持っていました。もともと速報性が皆無であったため、ニュースの広さがウリでしたが、俺ニュースを見習って巡回するサイトが増えてからだんだんと厳しくなっていたと感じていました。

投稿: まなめ | 2005.10.26 23:39

どれもこれも近いとかいうレベルじゃないですし、俺ニュになる必要も無い。
今回、まなめさんが俺ニュを超えたサイトがあると言ってるので反応しただけの事です。

まなめさんの挙げた駄文にゅうすさん。
自分から見たら全然俺ニュの域ではありません。
自分の意見としては
まずつまらない。
毎日の記事でそこからクリックして飛ぼうと思うものが1個あるかないか。
外の反応もふまえると
横展開をうむ記事が殆どない。
あったとしても駄文にゅうすさんを巡回先にしているサイトのみ反応。
独自性があると言えばそうなのですが
いわゆる偏りすぎてる状態。
アクセス数から見るに一般的にもそこまで面白いと思われていないのでは。

人によって評価は分かれそうですが、俺ニュが良いと思ってる人間同士、なんらかの感性は似てるはずなのでそこまで分かれないでしょう。まなめさんが駄文にゅうすさんを挙げたとのは俺ニュを超えているからというわけでなく、単に俺ニュ以上に感性が一致したサイトだったからではないでしょうか。

アンチもいますがそれ以上に熱狂的なファンを大量に生んでいる俺ニュは超えようと思って超えられるものじゃ無いと思う。

最後の横展開についてですが、
俺ニュは横展開に入ってる事はあっても
自分から入った事はないと思います。
自分の面白いと思う記事を紹介という部分は最後まで崩してなかったかと。

投稿: Muu | 2005.10.27 02:40

Muu先生の言ってる事ってば
Muu先生自身にそのまま適応されたりする事はないのかしら

俺ニュース様があまりに感性一致しすぎているので
他のサイト様の相対的評価もそれに準ずるモノになってしまってたり

まなめ先生が駄文にゅうす様を取り上げた事に関しての具体性が
あんまり見えないのもションボリなのですが
Muu先生から見た駄文にゅうす様の評価も客観性に乏しいかも…?
アクセス数=一般評価はあまりにナンセンスな気もしたりしなかったり

まなめ先生のこの記事は現在の個人ニュースサイトに対する
一つの意見として大変興味深いものでした
しかし若干テーマとは違う部分での議論であるかなぁと気になったもので
初めましてながら第三者としての意見を書き込んでみましたが
どうみても横やりです
本当にありがとうございました。

投稿: 碁盤 | 2005.10.27 17:19

面白いかどうか、そのレベルを超えているかどうかなんてのは、個人の趣向が決めることだから、具体名なんてどうでもいいんですよ。

少なくとも僕は、今現在において、多くのニュースサイトが俺ニュを超えていると思う。
ニュースサイトに対して求めるものが何か、人によって違うわけだから。

リンクの羅列だけが大量にある俺ニュは、確かに凄かったかもしれないが、情報の質が高かったとはいえない。

投稿: えっけん | 2005.10.27 22:01

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