ブログに書くということ。
「どうしてそんなことまで書くの?」
他のブログを読んでいてそう思ったことはないだろうか。そんなことは書かない方が良いのに、書かなくてもいいことなのに、それでも書いてしまう人を見て疑問に思うことはないだろうか。私は、そう思われるように、自分の感じたことは例え自分が不利になるようなことでも全部書いていきたいと思う。
アウトプットの重要性。
では、なぜそこまでしてアウトプットに拘るのか。それは、自分の中から情報を出すことによって、別の情報を得るためだと思っているからです。例えば、本棚を想像してください。本棚にはギッシリと本が詰まっています。そこで、新しい本を買ってきても、本棚には入れるスペースがないため、床に置いておきます。そしてそれをどんどん繰り返すうちに本棚のまわりに本が山積みとなり、どの本がどこにあるかさえ分からなくなってしまうのです。私にとって、情報も知識も同じようなものだと考えています。自分の持っているものを出力することで、次に入ってくる場所を作れば、自動的に何かがそこに入ってくるものだと考えているのです。
そしてもう一つ。私が今まで書いてきたエントリをご覧になればわかるのですが、ほとんどが当然のことばかり書いています。…この私の言葉に対して「確かに」と思った人と、「いや、私にとっては新鮮な考えがあった」と思った人とがいるでしょう。しかし、当然ながら私にとっては当然のことなのです。要するに、自分では常識、誰でも知っていると思っていることでも、他の人にとってはそうでないことがあるということなのです。だから、例え当然のことでも、自分が思ったことはできるだけ書き出すことで、そして読者の反応を見ることで、議論を進めることで、自分の知識にすることができるのです。同様に、例え自分では当然と思っていることでも、あるいは別の人が書いてしまったことでも、自分の言葉で書いていないものに関しては、私は自分の考えではないと思うようにもしています。
また、当然のことやすでに論じられたことを書くと、「ガイシュツ」や「また○○か」などの反応をする人がいます。確かにその人にとっては飽き飽きした内容かもしれませんが、その記事を書いた人にとってはそうでなかったのです。住みやすい世界という記事で「インターネットは小さな世界の集合体である」と書いた通り、インターネット上において最も多い勘違いは、自分あるいはその周辺で当然であることが他でも常識であると思うことだと思うのです。ブログはただのアウトプットツールではなく、コメントやトラックバックの機能を持った相互コミュニケーションツールであるため、「私は知っている」「それは常識」と何も考えないことは、ただの思考停止であり、人によっていろんな考え方があることを前提に他の人がどのような意見にたどり着くのかを楽しみにし、それによって自分が今まで思っていたことに何か変化が起こるのか、あるいは何も変わらないのかを判断すれば良いのではないでしょうか。
-
さて、今回はアウトプットのお話。
前回の書きたいように書けなくても、まず書いてみようというエントリを書いたのですが、元を辿ればブログ文章術 米光一成というブログだったことを、公開した後に知りました。私自身、ブログというツールを使ったいろいろな表現方法について考えてみたいと思っているので非常に興味のあるブログです(最新エントリにおいては引用までしていただきありがとうございます)
しかし、過去ログを拝見したところ、プロローグの時点で活発な意見が飛び交いなかなか本編に入っておりません。そこでなんでなかなか本編に入っていけないのか。それは、このブログには「ブログ連載術」が足りないのではないかと思ったのです。おそらく、連載ということでだいたいの道筋を考えていて最後はこんな感じ~と思っていたのでしょう。しかし、ブログは雑誌等とは違い相互コミュニケーションツールだということを忘れていたのかもしれません(もし違ってたらごめんなさい)。一つ一つの記事に対し、何かを思ったらコメントやトラックバックを送って記事を書くことはブロガーにとって普通であり、そしてその反応をすべての読者が見ることができる。そのため、読者の意見に流れが左右され思ったとおりに連載を進めにくいと思うのです。今回、ブログ文章術のブログを見たときもそれを最初に思いました。
では、どうしたら良いのか。何が足りないのか。
その答えの参考になるかと思って書いたのがこの記事の前半部分で、米光さんはまだ何一つ自分が書きたいと思っていることを出し切っていないにもかかわらず、多くの読者からの意見が飛び交ってしまったため、何かがあふれてしまったかのように私は感じました。まず結論を書いてしまうのも一つの方法だと思うのです。次回から本編に入るということなので、今後はブログ文章術だけでなく、ブログ連載術にも視点を置いて拝見させていただきます。
さて、ブログが相互コミュニケーションツールであるため読者の意見に流れが左右され思ったとおりに連載を進めにくいと書きましたが、逆にこれは使いようによっては実に発展性あるものとして使うことができるでしょう。例えば、自分の伝えたいことはたったひとつのことだったとしても、それに対する読者の反応により自分の意見がさらに深まったり、別の考え方で同じ結論に辿りつく人を見つけておもしろいなと感じたり、全く違う意見をいただき自分の考えに影響を与えたり。要するに、ブログは自分の考えをアウトプットするだけのツールではなく、みんなで良い答えを見つけるためのツールなんだと思います。
さぁ、あなたの溜め込んでいる知識をブログに書いてみませんか?
-
上記の記事とは全く関係ありませんが、私が最も好きな連載記事をリンクしておきます。今でもときどき読み返す、影響を非常に受けているエントリです。
もう、個人サイト業界への「新規参入」の時代は終わった@琥珀色の戯言
・(1)「テキスト庵」の「読まれたい」人々
・(2)「成り上がれない」個人サイトたち
・(3)個人サイトの衰退と限界
・(4)個人サイトはどこへ行くのか?
・(5)「思い知らされる」個人サイトたち
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント