個人ニュースサイトで「成り上がる」ことが難しい理由
理由はいくつもあるだろう。自分のサイトを知ってもらう契機がない、自分に合ったニュースサイトを探す手段がない、もともと向上心すらない、などなど。しかし、個人ニュースサイトとして新たに成り上がることが難しい理由はコレだと思う。
ニュースサイト界の大勢が“あなたの頭の中で”決まっているから
これについて、id:REV氏が私の情報整理において株を例に似たようなことを書かれていたので、私も株を例にして書いてみる。
私が株をやるのは、確かに儲けることでもあるが、利益が目的ではない。株で儲けたら、さらに株で儲ける。株で損したら、株で取り戻す。要するに、私の目標は市場から退場させられないことだと思っている(ギャンブル依存症?)。しかし、私が株を勧める理由は全く異なる。第一、株は儲ける人もいれば損をする人もいる。そんなことよりも、株をやることで身に付けて欲しいことは、例えば、世界のある場所でとあるニュースがありました。そのニュースによってどの業界の株が上がって、どの業界の株が下がるか。それを推測できることが「株をやる」ことだと思うのです。もちろん、それを知っても儲かるわけでもないけれど、むしろ儲けるにはそれをある程度予測しなくてはいけないためギャンブルになりがちだが、この知識を身に付けて欲しくて、私は株をやるように勧めている。知るためには、現場に触れているのが一番だと思うからだ。
これは、株だけでなく個人ニュースサイト界隈にもあてはまる。毎日多くのニュースサイトを見ている人の中には、あのニュースサイトは○時ごろ更新されるだとか、あのジャンルのニュースはあそこを見れば良いだとか、はたまたAとBとCのニュースサイトはAとBさえ見ていればCの情報はほとんど補完できるとさえ、頭の中に入っている管理人もいるのではないだろうか。これが大手ニュースサイト管理人の頭の中になると、このジャンルのニュースはAというサイトが早いとか、このジャンルのニュースはBというサイトさえ見ていれば漏れることは無いとか、さらに詳細なマップが描かれているのだと、私は勝手に想像している。
要するに、ニュースサイトをいくつも見ている人にとって、「○○に関する情報が欲しい」と思ったら「××というサイトに行けば詳しい情報があるだろう」という概念(メタデータ)ができあがっていることが、新たに個人ニュースサイトとして成り上がるのが難しい理由だと私は思うのです。ここで、大手ニュースサイトがそのような読者の期待に答えないようならば簡単に牙城は崩れるのですが、なかなか第一線を退いてくれないのが我々中堅以下のサイト管理人からすると悔しくもあり、逆にうれしかったりもするのですがw
そしてこれは、ニュースサイトだけでなく普通のブログにも当てはまり、この記事を書いたら誰誰がこんなコメントを書いてくれるだろうとか、あの人がはてなブックマークしてくれるだろうとか、あのニュースサイトで紹介されるだろう、さらには、その紹介経由であそこまで届くかもしれないと夢を抱いたり、できる人もいるでしょう。
このように、その人の頭の中にあるニュースサイト界のメタデータにいかに介入できるかが、成り上がるための必須条件となるのではないだろうか。それがいかに難しいかを示しているのがもう、個人サイト業界への「新規参入」の時代は終わったという連載だと思う。連載の第1回と第2回でいかに自分のサイトを知ってもらうことが難しいかを知り、第3回でいかに既存大手サイトを超えることが難しいかを知るだろう。しかし、以降には今後どのようにしたら成り上がれるのかのヒントも隠されており、第4回では別のところに付加価値を持たせることでサイトの価値を高めたり、第5回ではただサイトを持つだけで成り上がれる時代が終わったということから、プラスアルファが求められる時代であることを示唆している。というわけで、サイト論系のブログを取り上げることの多い私が、このようなサイト論のブログを自分で持ったり、コミック系ニュースサイトが自分の感想を書くサブブログを持ったりして、サイトを紹介する側でありつつサイトを紹介される側にもなれるのは強みの一つなのではないかと思ったりもする。
ここまで書いて思ったこと3つ。
1つ目は、成り上がりたい管理人さんは「では、どうしたら成り上がれるのか?」と聞きたいだろうということ。しかし、それは自分で考えなければ意味がないと思う。むしろそこで試行錯誤することに私は意義を感じている。例えば、2chのログがブームなら2chのログを自分で拾ってきて紹介したり、ハルヒが大ブームならばハルヒのポータルを作ってみたり、YouTubeがブームならYouTubeなら誰にも負けないようなサイトを作ればいいと思ったが、私は自分の趣味と合わないので継続できないだろうと断念した。
2つ目は、ニュースサイトについてまだ良く知らない人は「ニュースサイト界隈のメタデータを自分の頭の中に築きあげるのはどうしたら良いか?」と思うだろうということ。おそらく、ここでの返事は「半年ROMれ」が正解だと思うが、私はあえてこう言う。「半年ニュースサイトをやれ」と。
3つ目は、ニュースサイト界隈のメタデータを表現してみてはどうだろうかという提案。個人的にはParallels2にタグ付けできたら最高だなと思ったことがある。しかし、実際はニュースサイトというのは非常に流動的であり、人によって全然違う印象を持っていたりするので一概な決め付けもできず、またこのようなマップを視覚的に表現してしまったら、ますます新規参入が難しくなってしまうので、あまりおすすめしまい。だいたい、もしそんなものができちゃったら、自分のサイトを紹介されたらうれしいだろうという前提で、まだニュースサイトについてほとんど知らない管理人のブログを紹介することで、自分のサイトを触媒にニュースサイトを知ってもらったり、自分のサイトへの言及を戴きながら、彼らの頭の中のニュースサイトメタデータの自分のサイトを残そうと、コツコツと口コミで成り上がろうとしているまなめはうすとかいうたいした特徴もない弱小ニュースサイトの管理人がおまんま食い上げになってしまうので勘弁願いますw
強引にまとめ。
ニュースサイトを長いこと見続けている読者には、あるニュースが欲しいときにこのサイトを見れば良いとか、あるニュースを見たときにこのニュースはAのサイトには必ず掲載されるだろうなという推測ができるようになってくる。そのような、それぞれの読者の頭の中にあるメタデータに、いかに入っていくことができるか。それが新規ニュースサイトが成り上がるための最大の壁になっているのだろう。
大手になるための壁は高い。
だからこそ、目指す価値があるというものだ。
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