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涼宮ハルヒはホリエモンの夢を叶えたか

かつてホリエモンは、テレビとインターネットの融合を目指してテレビ局の買収を試みたことがある。しかし、その夢は達成することができず、自身も失脚した。あれから半年、私はホリエモンが抱いた夢が叶いつつあるのではないかと思った。

インターネットは、我々に趣味の楽しみ方に変化を与えた。要するに、アニメでもゲームでもマンガでも小説でも、作品を楽しむだけでなくみんなで楽しむ楽しさへと、楽しみの幅を広げたのである。

私がインターネットを始めたのが1996年だったこともあって、最初にその楽しみ方を感じたのはエヴァンゲリオンだった。アニメについて語り合うなんて、男子校だったから少しはあったものの、そう奥深くまで語り合うことはなかった。それがインターネット上では、かなり深い部分まで語り合える人がいる。これは、その作品が好きな人にとってはたまらない場所だろう。エヴァがあそこまで物議を醸した理由の一つは、物議を醸せる人が集まりやすく、物議を醸せる場所を簡単に作り出せるインターネットの存在が大きかったのではと思う。

おそらく、インターネット以前の語り合える人の集う場所は同人誌即売会等のイベントだったのだろうが、田舎に住んでいた私にとってはその存在すら全く知らず、それもまたネット上で知りあった人に教わって知ったほどだ。起源なんて想像も付かない。

また、それはテレビだけではない。例えば、DEATH NOTE。私がこのマンガの存在を知ったのはデスノコラと呼ばれる、作品の一部を利用してセリフを変えて楽しむものであったが、気が付いたらコミックスを買うようになっていて、いつしか続きが楽しみになった。他にも、ネットで話題になったからコミックを集めるようになったものには、グラップラー刃牙などがある。

では、どうして涼宮ハルヒのアニメがここまでネット上でブームになったのだろうか。直前のツンデレブームに乗ったのは確かだろう。VIPブログがアフィリエイトのために仕掛けたという噂があったが、真偽はわからない。むしろ、仕掛けたとするならば私は製作サイドとしか推測できない。そうでなければ、SOS団公式サイトは本当に長門有希の手で修正されていたのような、原作にのっとったこだわりは、そうそうできるものではないでしょう。

タイミングが良かったといえば、ツンデレブーム以上に、YouTubeブームの真っ只中だったことの方が影響が大きいと思う。先に述べたエヴァンゲリオンがインターネット初期(?)だったのをきっかけとしたならば、ハルヒは YouTube のブームとほぼ同時だった。アニメが放映されていない地域の人もYouTubeで見ることができた(できてしまった)。これによって、アニメに乗り遅れてしまった者でも容易に追いつくことができた。思い返せば、エヴァも年末になると3夜連続一挙放送などで、ブーム乗り遅れてしまった者への救済を良くやっていた。

また、一度軌道に乗ってしまうと、その後の盛り上がりは容易である。製作者側が絶対誰にも気づかないようなこだわりを組み入れても、たった一人がそれに気づきさえすれば、SOS団ニュース-idolinglife-のような涼宮ハルヒポータルサイトによって多くのファンが知ることができ、彼らはまたYouTube等によってその真偽を確認することができる。まさに正のスパイラルだ。

しかし、製作者サイドからしてみれば、そのようなこだわりを入れれば常に人気作品になるとは限らない。狙いすぎては逆に受け入れてもらえず、何も考えていなければ当然のように受け入れてくれるわけがない。私の素人考えでは、無駄なこだわりが重要な気がする。ただのこだわりじゃなくて無駄なこだわり。そこまでする必要ないのにって思うほど、部分的にこだわってみたりするのって、職人らしさを感じるというか、普通におもしろい。知識がなくても理解できたり、探究心が沸いたりもする。・・・これは、単に私の好みかもしれないけど。

ホリエモンが思い描いたテレビとインターネットの融合は、もっともっと壮大なものだっただろう。しかし、涼宮ハルヒブームの中に、その片鱗の片鱗くらいは感じることはできるのではないだろうか。コミュニケーションの題材としてのアニメ、コミュニケーションの場としてのインターネット。アニメを介しての人と人との繋がり。インターネットを介しての人と人との繋がり。これは融合といっても良いと思う。あるいは、このブームを涼宮ハルヒが望んだだけかもしれない。

あとがき。
今回は、Amazonでたまたま見つけたオトナアニメ Vol.1という雑誌創刊号の表紙絵だけから記事を書いてみました。インターネット時代の趣味は、そのものを楽しむだけでなく、同じ趣味を持つ人とのコミュニケーションも楽しみの一つだと思うのです。もちろん、それを嫌う人もいるのですが、せっかく楽しめるものがそこにあるのならば、楽しまなければ損だと思いませんか?

関連:オトナアニメ オフィシャルブログ

オトナアニメ Vol.1
オトナアニメ Vol.1
posted with amazlet on 06.07.05
更科 修一郎 多根 清史
洋泉社 (2006/07/10)

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コメント

ヲタクが語り合う場所でネット以前は同人即売会だとありますが、nifty-serveや東京BBSに代表されるようなパソコン通信が、その役割を担っていました。

投稿: キーボードを触って20年 | 2006.07.07 18:47

youtubeブームのおかげだというのは少し正しい
原作のクオリティからすれば、U局と地方局だけでは、ネギまに並ぶ人気は無理だったと思う

しかし、web2.0的になった場合、作品の演出クオリティが左右すると思う。ちょっとした小ネタなんてあらゆるアニメに存在する。ハルヒだけではない。(オタが絵描いてるんだ。仕事に飽きたら遊びたくなるだろ?)
ポイントは、そこではなくて、基本的な映画のテクニック。ご存知のとおり京都アニメーションは、仰角からのショットの多用や、登場人物の視点を代理しないショットなど、アニメにしては凝った演出が多い。今回は、原作の主人公独唱形式を映像化するのに優れていたことがポイント。

ただ、DVDの売れ行きを見ない限りは、このアニメがトータルの支出で成功したかどうかはわからない。CDに関しては、振付師を雇うなど挑戦的な資金投入をした分は回収したと思われるが、製作委員会にどこまで還元できたのだろうか?勝負はこれから。

投稿: YOUTUBE | 2006.07.16 22:50

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