はてなブックマーカがドンドン馬鹿になっていく
もしかしたら、はてなブックマーカもまた衆愚化しているのかもしれない。
例えば、個人ニュースサイトは2つに分けることができる。
他のニュースサイトから気に入った記事をピックアップするニュースサイトと、
個人ブログを直接巡回してニュースとして拾い上げるニュースサイト。
はてブユーザも2種類に分けることができるだろうか。
お気に入りやホッテントリから記事を探してブックマークする人と、
自分でブログを巡回してブックマークする人。
ニュースサイト管理人にしてもブックマーカにしても、すべての情報源を自分で探すのは不可能だろう。ある程度は誰かが集めた情報に頼らざるを得ない。特に多くのニュースサイトは、他のニュースサイトから得る記事の紹介がほとんどだと思う。おかげで、コメントもつけずにただニュースを羅列しているだけのニュースサイトは価値が無いと言われることがある。
これに対する反論のパターンはいくつかある。一つは、取り上げたニュースは例えコメントがなくてもその人が選択したものなのだから、その人の興味という情報を出しているということ。一つは、ニュースサイトの良い悪いの判断の大半は、自分に合う合わないで判断されてしまいがちである。だから、コメントがなくてもそのニュースが合う人にとっては良いサイトとなる。最低でも一人、すなわち自分自身にとっては最高のニュースサイトだろう。
最近、はてなブックマークでは「お気に入り機能」がブームとなり、自分に合ったブックマーカを探している人が多く目に付く。自分に合ったジャンル、量、興味ある人のブックマーク、などなど判断基準は人さまざまだろうが、結局たどり着くのは 人 である。ある人の興味を追っているうちに、その人自身にまで愛着が出てくる。それがお気に入りの楽しさの一つであり、個人ニュースサイトの楽しみの一つでもある。
2006年4月1日。今年のはてなのエイプリルフールネタが「はてなお気に入り」だったのは記憶に新しい。しかし、お気に入りの機能によって、はてなブックマーカを追う楽しさを見つけた人たちにとっては、このサービスは「はてお」と呼んでもいいのではないだろうか。
しかし、それがはてなブックマーカとブロガーとの距離を広げてしまうのではないかと私は危惧している。
個人ニュースサイトの文化の一つに、情報元を表記する文化がある。アナタのおかげで良い情報を知ることができましたという感謝を伝えるものと私は解釈しているが、それを知らないブロガーは「どうして情報元がアタシのブログじゃなくて良く分からないニュースサイトなの?」と思う人もいる。そう思う理由は「自分の記事が読まれている感」を感じなかったからだと思うのだ。この感覚が、はてブでも感じさせてしまうのではないかと私は危惧している。
ニュースサイトの向こう側には人がいる。
ブックマークの向こう側にも人がいる。
ブログの向こう側にも人がいる。
読み手からしたら、自分でブログを読むことも、あるブックマーカが登録した記事を読むことも、ホッテントリに入った記事を読むことも変わらないかもしれない。しかし、読まれる側は違うと思う。直接見てくれる人とは向き合っている、お気に入りから見に来た人は体を背けたまま読んでいる。ホッテントリに至っては人ですらない。見られている感覚が無いにもかかわらずカウンタだけが回るということは非常に怖いことなのだ。
もちろん、ホッテントリやお気に入りを批判しているわけではない。ただ、ブログを読むときは、書き手と向かい合っていて欲しい。そうでないと、アルファブックマーカとはブロガーと向き合っているブックマーカのことを指し、それ以外のブックマーカは誰かがブックマークした記事を良い悪いと取捨選択しているだけの人に、まさに衆愚化されてしまうのではないかと思ったのだ。
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しかし、私ははてなブックマーカには一つだけ大きく期待している部分がある。
それが、これ。
↓
詳しくは述べないが、ブックマーカでありながらブロガーであるということが、ブックマーカの衆愚化を止める手段の一つなんだと思う。最後に、はてなブックマークのβ版が公開された2005年2月10日に、naoya氏が自分の日記で言っていたことを引用して終わる。
日ごろ流れゆくフローな情報はアンテナでチェック、その中で見つけたこれは、と思った記事はブックマークに追加。
後日ブックマークに溜め込んだ記事をネタにダイアリーを更新、というのも粋な使い方かもしれませんね。
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萌え理論Blog - 衆愚ニュース
[nikki]: はてブが中心になりだしたらRSSリーダーを使わなくなってきた。
2006/10/17 追記:トラックバックにお返事
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コメント
あー、なんか身につまされる記事です。思い当たること、多々あります。
少し微妙に本文の文脈からはずれるのですが、はてブを使うようになってから、いい記事を読ませていただいても、直接ブログにこうしてコメントを残したり、ブロガーの方にメールしたり、トラックバックを送ったりと、そういうのが減ったように思います。タグとブクマコメントですましてしまう習慣といえばいいのでしょうか。
う~ん、なんかまだいろいろ思うところはあるのですが、ごちゃごちゃしているのでこの辺で失礼いたします。
投稿: 寝太郎 | 2006.10.12 11:28
私事で申し訳ないのですが……
私のブログにテレビ番組の『奇跡体験!アンビリバボー』スタッフから、ある物件を取材したいというメールが来たのですが、それがエイプリルフールに書いた嘘記事であったという一件がありました。
http://b-spot.seesaa.net/article/23931147.html
最近はリンク先のサイトを読まずに紹介してしまう人、または読んでもよく考えずに早合点してしまう人が多い気がします。特にはてなブックマーカは即座にお気に入りに入れてしまえるのでリンク先の真偽にかかわらず、ホッテントリ化してしまうことも。
おっしゃるように、読者が「ブログを読むときは、書き手と向かい合って」くださることを祈ってます。
投稿: 麻理 | 2006.10.12 14:17
とても魅力的な記事でした!!
また遊びに来ます!!
ありがとうございます。
投稿: 株の売買 | 2013.01.22 14:12