プログラマの美意識
たまには仕事の話を。
同じ職場に6年以上もいれば、プログラムを作る立場から、作ったプログラムをレビューする立場になったりするわけで、最近はいろんな人の書いたコードを見る毎日です。しかし、なかなか自分の考えているような成果物が上がってこなくて頭を悩ませることもあります。
なぜ、自分の求めているものが上がってこないのか。その理由は美意識の違いだと思っています。人それぞれ自己流という部分を持っていて、たいていは最初にプログラミングを学んだ環境に影響しているでしょう。動けば良いと思っている人や、コード量が少ないものほど良いとか、効率こそすべて、などなど。
私にとって美しいプログラムとは、シンプルなプログラムのことです。 最初は効率を求めるタイプでした。大学からプログラミングをはじめ、趣味プログラマだった私にとってプログラムは、動くことが第一で、次に効率の良さを求めました。しかし、仕事としてプログラムを扱うようになって、誰が見ても分かりやすいプログラムこそが良いものだと思うようになりました。分かりやすくすることで、バグを見つけやすいとか、修正がしやすいとか、あとで読み返しても理解しやすいなどの利点があり、そしてこの3つが普段の業務で最も重要な要素だったりします。
また、設計書をもらってコードを書く前に試験データを作成するのですが、一つの入力で複数のチェックが同時にできるような試験データを作成せずに、一つのデータでたった一つの項目のチェックをする試験データを作るようになりました。確かに、一つで複数の確認をできるデータの方が試験の効率も良いのですが、それは今試験をするには良いですが、試験の内容を他のメンバに説明するときや、後々試験項目を見直すことになったりした際に、試験データのすべての意図を読み取ることができずに、本当にこの試験データですべての試験すべき内容が満たされているかの確認ができないのです。
実は今、ちょうどこの部分で悩んでいて、効率的であることが良いという-過去の私と同じ考えを持っている-人に、どう伝えようか悩んでいたりします。少しずつは伝えているつもりですが、美しいという単語を使うのもなんだか恥ずかしくて、うまく伝えられていない気がしているのです。
シンプルであることの良さはプログラミングだけではありません。日本語を書く際にも、一つの文には一つの意味しか込めないようにして、一文を短くするよう努めています。ブログも同じように、一つの記事には伝えたいことは一つに絞るようにすべきだと思っています。一つの記事に伝えたいことすべてを詰め込むことよりも、一つの伝えたいことを一つの記事で確実に伝えること。それがシンプルブロガーへの第一歩だと思うのです。
美しいものとは、シンプルであるもの。
これを意識するようになってから、シンプルであるものに感動を覚えるようになり、それと同時に、シンプルに収めることの難しさも感じるようになりました。
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この記事は、やっぱり本が好き - お題があれば何でもかけるより、「美しいと感じるもの(こと)」というお題を受けて書かれた記事です。
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