2次創作を禁止された漫画の楽しさは半減する
( ;^ω^)<へいわぼけ: 講談社「2次創作やめろ!!パロ同人も禁止する!!」
もしこの取締りが行われるようになったら、漫画業界が一気に廃れるのではないかと危惧する。
確かに、漫画は読んでおもしろいものだ。しかし、今はそこでおしまいではないはずだ。
おもしろい漫画を見つけたら皆とそのおもしろさを共有する楽しみがある。昔は、身近な友達としかそれを味わえなかったし、マイナーな漫画だったり、自分以外におもしろさを共有できる人が見つからなかったら、そこでおしまいだった。
しかし、今はインターネットがある!
この漫画のこの部分を私はおもしろいと思った!と、堂々と言える場所がある。
どんなにマイナーな漫画でも、そのファンを見つけることができる。
そして、そんなおもしろい漫画をネタに楽しむことができる。
これは漫画だけの話ではなく、アニメやゲ-ムにも当てはまると思う。漫画やアニメ、ゲームそのものの楽しさもある。しかし、それらを土台にした上で語り合うことの楽しさは原作の楽しさを何倍にもすることができる。そんな楽しみ方を一度でも知ってしまった人たちが、その表現すべき術(すべ)を奪われてしまったら、原作そのものにすら楽しさを覚えなくなってしまうのではという危機すら感じてしまいます。
デスノートコラがあそこまで流行らなければ、私はデスノートに出会いませんでした。YouTubeがなければ涼宮ハルヒの憂鬱もあそこまでブームにはならなかったのではないでしょうか。漫画レビューサイトがなければ出会うこともなかった本だっていくつかあります。
もちろん著作権を無視しろということではありません。ただし、制度を緩和した方が良いと思ってますけど。アフィリエイトの感覚で、一部の情報の掲載を許可する代わりに宣伝してもらっていると出版社が思うというのはどうでしょうか。Amazonの中身検索の考え方で、中身を一部見てもらうことによって売上を上げるという考え方はできないでしょうか。・・・両方とも考え方を変えるだけで、現状維持を望む都合の良い考えかもしれませんが。
話はズレますが、これはブロガーとニュースサイトの間の関係と似ていて、“自分が書いた記事がニュースサイトで紹介されると、紹介した人の記事のように思われるのがイヤ”と思うブロガーみたいな感覚だと思うんです。確かにそう思えなくもないけれど、良い記事として認められた、あるいは宣伝してもらっていると考えれば、逆にうれしいじゃないですか!というお話だと思うんですよ。
あとは、久米田作品や幕張にも通じるものがあるのかな。「漫画を楽しむ」と「漫画で楽しむ」の違い。好きな漫画で楽しめることは読者にとっては最高の行為かもしれませんが、それを嫌がる著作者もいるでしょう。だからといって、すべてを禁止してしまったら、漫画の楽しさが半減してしまうのではないでしょうか。
もし、漫画で楽しむことを禁止されてしまったら、おもちゃを取り上げられた子ども達のように駄々をこねてしまいそうです。
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コメント
はじめまして
“「どこまでOK?」迷ったときのネット著作権ハンドブック”の検証記事
「ほんとにOK?」“「どこまでOK?」迷ったときのネット著作権ハンドブック”を検証する
を下記のページにまとめてあります。
http://www.joy.hi-ho.ne.jp/atabis/newpage8.htm
お暇なときにでも御笑覧ください。
投稿: 柴田晴廣 | 2007.03.07 07:57
柴田さん、すごい良くまとまってますね。教えていただきありがとうございます!
投稿: まなめ | 2007.03.07 20:09
まなめさん
ありがとうございます。
知的財産権法一般(ただし、特許法等については、特許庁HPで詳細されているため実質著作権法)についても「現代社会と知的財産権法」という頁(http://www.joy.hi-ho.ne.jp/atabis/newpage4.html)にまとめてあります。
こちらも参照して頂ければ幸甚です。
投稿: 柴田晴廣 | 2007.03.08 07:39
しかし現実に漫画の売り上げは落ちている。
面白い漫画が増えているにもかかわらず、むしろ一般人は漫画から離れつつあってオタクの狭い世界の中にあるようで
そのことを危惧しているでは。
投稿: どうかな | 2007.03.10 14:20
>どうかなさん
その考えをもし出版社ももっていたら、その出版社は少々危険だと思います。漫画の売上が落ちているのは2次創作が原因だと私は思いません。
電車の中で、以前は雑誌や漫画を読んでいた人が今は携帯電話をいじっています。私は、漫画のライバルは携帯電話だと思うのです。
投稿: まなめ | 2007.03.10 23:21