SEが声を大きくして国民に伝えるべきたった一つのこと。
それは、コンピュータは必ず壊れるということ。
先日拝聴した香取貴信氏の講演で聞いたことから、ずっと頭に残っている言葉がある。それは、「ディズニーランドのアトラクションが機械の故障で動かなくなってしまった場合、アメリカ人はリアクション大きく悔しがるが案外あっさり諦めてくれる。しかし、日本人は決して納得してくれない」といった感じのこと。
これを聞いたとき、私はとっても頷いた。アメリカ人についてはどうか知らないが、日本人にいたっては-少なくとも私の思う限りでは-まだコンピュータ完ぺき主義が残っていると思う。コンピュータはちゃんと動いて当たり前なんて思っている人を、まだまだ見かける。
こう思ってしまうのもきっと、かつて「安全と水はただで手に入る」と言われた国だからなんだと思う。マスコミの情報を鵜呑みにしがちな面もそうで、“そこに在るものは正しい”って思っちゃうんだと思う。でも、そんなことは絶対にない。
私自身プログラマの血が流れているせいか、「このプログラムはバグがある。今正しく動いているので運が良いだけだ。」と考えてしまうことが多く、コードを見れないものはユーザとしても冒険ができない。例えばネト充に身近なところで、ブログの自動更新。日付が変わる瞬間の0:00なんて、日付の境界値であるため時計システムに何か起きる可能性がゼロでないと避けたり、また日付が変わる瞬間は区切りが良く他の人も同じ時間を指定するだろうから負荷を考えると避けたくなったり。ささいなことなんだけれど、できるだけ安全な選択をしてしまう。
SEならば稼働率なんて言葉を聞いたことがあるだろう。これを100%にするなんて私は不可能なんですよ。もちろん100%に近づけるための努力はするけれど、ある一定のラインまで達するとそこから1%上げるにはものすごい予算がかかるんです。例えば365日24時間運用なんて言われた日には、何かあったときのために365日24時間誰かしらが対応できる状態でいなくてはならないじゃないですか。
確かに、それが重要なシステムもありますが、銀行などのミッションクリティカルなシステムでない限りそこまでする必要ないと思うんです。ましてや、ブログサービスとかオンラインゲームなんて、365日24時間動いている必要なんて無いんですよね。規約にもきっとそれを保証するなんて書かれていないと思います。だからね、コンピュータだから動いて当然だなんて思って欲しくないんですよ。もちろん動きますけど、それを保証するというこがどれだけ大変かということを知ってもらいたいんです。そして、たまに落ちてしまっても仕方ないかなって、もう少し暖かく見守ってあげてください。人が作ったものに半永久的に完璧なものなんて存在しないのです。
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コメント
お疲れ様です。
例えば このシステムに 命の吹き込みをしたのは 何人ものSA そして SEとPG の皆さん。
この方達のお陰で 今 拝読できる訳ですものね。
楽しみにしていた矢先での出来事だったりすると アトラクションの故障中止などは残念でなりませんが そんな時もあります。
会場の皆さん 我が子含め ケガ人などが出なければ 気持ちの切り替えを 早めにして 次の ”楽しい”に 目を向けたいもの。
自戒を込めて コメント致します。
投稿: oti | 2008.04.10 09:42
他人へ要求することしか考えない人が多くなったのでしょう。
こういう人は、もし自分が同じコトを言われたらどう応えるんでしょうね。
たぶん黙り込むしかできないと思いますが。
投稿: ゆき | 2008.04.12 18:04