はてなブックマークに足らないのは本当に集約なのか
伊藤直也氏(id:naoya)がはてブについて語るというので、それはぜひ聞いてみようと思い群衆の叡智サミット2008(WOCS2008Spring)に参加してみた。そこでの要約はid:Kishiの群衆の叡智サミット2008Spring行って来たに委ねる。
このセッションでのパネラーにはid:naoya以外はブユーザがいないということもあり厳しいつっこみはなかったが、はてブを群衆の叡智にするためには集約化が足りないと言い、また聴衆も集約化に力を入れるべきであると言うところに票が集まった。現在はてなでは、ほってんとりのように単純にはてブ数の上位だけを並べるランキングではなく、統計的手法を用いて集約する方向に向かっているという。
私がそれを聞いて思ったことは、本当にそれで良いの?ということ。
私の基本発想が「人はシンプルなものを使う」であり、さらに「理系人間は仕組みの分からないものは使わない」という偏見を持っているせいか、複雑になってしまったら意味が無いと思うんです。だから、そんなのAPIをもっと公開すればギークなユーザが「はてブ新聞」みたいのを自発的に作ってくれるよーってだけで、あえて公式でやる理由が思い浮かばないんですよね。
「群衆の叡智」の4つの特徴と比較すると、「多様性」「分散性」は多少偏っていますが十分でしょう。「独立性」はfav機能やほってんとりによって弱まっていますが仕方の無い部分かもしれません。なるほど、他の3つがユーザが増えてきたことで満たされていくうちに「集約性」の未熟さが浮き上がってしまったということでしょうか。その「集約性」の部分を現在試行錯誤している段階なのでしょうけれど、これってお気に入り(fav機能)でだいぶ満たしていませんかね?id:naoyaがお気に入りのことを「あまり知られていない機能」と評したのが印象的だったのですが、確かにこれは誰をfavしたら良いか探すことからして難しいからでしょうか。ニュースを探すこと=人を探すことと頭の中で変換できる人って、そうはいないですからね。
私はニュースサイトをやっていますが、ニュースサイトって集約の部分を個人に委ねただけのものなんです。群衆の叡智サミット2008でも一つの結論として挙がりましたが、“選択肢の一つ”としては本当に優れていると思います。しかし、そこから先は個々のユーザに委ねる世界ではないでしょうか。私ははてブにおける集約はタグ検索にRSSがついている時点で完結しているんです。ヘビィユーザなんて検索結果にRSSつけておけば、あとはANDとORでどうにかなるもんです。そこから先はユーザカスタマイズしか存在しません。そしてそのカスタマイズが昨今のブームです。しかし、そんなことをしたら非はてなユーザやライトユーザに適したニュースが提供できないんですよね。その辺をどういった手法で解決していくのか。いやいや、とても楽しみになってまいりました。ウェブ2.0としてユーザが育てるサービスでありながら、ユーザを育てるサービスであったら良いなーなんてユーザの勝手な夢世界でもおいてこの記事は終わりにしておきましょう。
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