私のお気に入りの本2011
私のお気に入りの本2009 73冊
私のお気に入りの本2010 54冊
今年で4年目です。年々読む本の数が減っておりましたが今年は週刊連載をやめたこともあって時間ができ、積みあがっていた読みたかった本を片付けたこともあって、88冊+3(予定)と、まあまあ読めたと思います。月10冊読めたのが5回あって、残りは全部6冊以下という読む月読まない月のムラもまたあった一年でした。そんな中で私がお届けする今年の5冊はコチラ。どれも一気に読まずにはいられないよ!
★成長していく組織が狂っていく過程に何を思うか
内容を要約すると、ホームレスが宗教団体を作り、信者を増やしていく話。とまあ、嫌う人も少なくなさそうなテーマなんだけれど、その中に見える集団心理というか、人がなぜ宗教にハマっていくのか、そして大きな組織がどうやって狂っていくのかを描くことで、「カルト宗教や悪徳マルチは、こういう手口であなたたちを取り込んでいくんですよ」という警告でもある。どうして信者が多額のお金を出してしまうのかの心理にはなるほどと思わされた部分も。最後の終わり方が個人的には物足りなかったですが、これは読んでおきたい一冊でしょう。
★玉に傷のある超大作!だが、それがいい。
Amazonでは歴史観がおかしいといった評価もあるようですが、その辺は私が無知であることもあって全然気にならずただ続きが気になって一気に読み切ってしまった臨場感あふれる一冊。直木賞候補どまりだったけれど、難しい用語や歴史のうんぬんがなければこれが絶対大賞ですね。創薬の学生に届いた亡き父からの一通のメール。そこから始まる壮大すぎるストーリーにひきこまれましょう!
★ものづくり好きにはたまらない作品
最先端特許をめぐる中小企業vs大企業の熱い戦い。これが熱い!はじまり方に名作「夏のロケット」を彷彿とさせられたし、著者が「空飛ぶタイヤ」や「鉄の骨」という私の好きな作品ばかり書いてきた人だと知って凄く納得した。大企業の大企業らしさと、元研究者の中小企業経営者の熱すぎる特許戦争。ものづくりの気概が感じれる素晴らしい作品でした!
★時空を超えて生きるトキオに号泣必至
素直に泣いた作品。不治の病を患う息子に最期が訪れつつあるとき、その子を産む前に出会った謎の少年との想い出を語りだす。はっきりいってベタなストーリーだろうが、ここまでキレイにネタを回収してくれるとうれしくてたまらなくなる。2005年の作品ではあるけれど、気にせず読んでみましょう。
★こんな講義を受けてみたかった!
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おそらく高校時代に描いていた大学の講義ってこういう素晴らしいものだったと思う。導入でこう引き込まれちゃったら勝てないよね!って感じで好き。「哲学」は自分の視点と他人の視点とそれぞれの理由を知るためにも、一度は本気で考えておくべきことだと思うし、政治哲学の中でこのテーマは実に興味深いテーマで良かった。ただ良い講義というだけでなく、一度は考えておくべきことだと思う。
★次点
死神の精度 … 短編集ですが、共通する設定から死神の冷淡な仕事の中でのストーリーがうまいと思わせられた。
政治を語る言葉―札幌時計台レッスン … 2008年に出た本であるために小泉政権の話が中心ですが、こういった本を読んで今の日本の政権を語るのも良いと思います。
社長失格―ぼくの会社がつぶれた理由 … 一つの会社の成功から挫折まで、素晴らしい経験を一気に読ませる文章でとても良かった。
20代で人生の年収は9割決まる … 30代からは頷ける所も多いのですが、20代の人はこの本を読んでどう反応を示すのか気になるものです。
ラーメン二郎にまなぶ経営学 … 単純にラーメン経営の話なら「ラーメン屋の看板娘が経営コンサルタントと手を組んだら」の方がおもしろくてタメになるのですが、ジロリアン的に二郎本を推奨するしかないでしょう。
★今年のオススメラノベ「なれる!SE」
私がSEということもあって、ハマり度が半端ない。読んでてすごい楽しい。あるある!とか、あの知識がこんな風に使われるのかーとか、ここは私の方が詳しいなとか。主人公は一応ネットワークエンジニアなのかな。自分の知らない分野だったので新鮮味も味わいながら。デスマーチの連続でイライラしちゃう人もいそうだけれど、自分はせいぜい二徹程度しか味わったことないので気軽にネタとして読めることも大きいかな。そういう嫌悪感を一つも抱かせない良い文章だからうまいってのもあるんだろうね。個人的には、プロジェクト管理が一番近くて好きです。
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